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テクノスジャパン

ザ・ビッグプロレスリング いーのーき、いーのーき、いーカン!
 ちいさいころからプロレスがすきだった僕は、このゲームの音声合成にひきつけられた。猪木と藤波ではないかと思うプレイヤーが「ダァーッ」とさけべば、ふとったカブキみたいのとやせたエル・カネックみたいなのが「ババー」とかえす。ジョー樋口もどきのカウントが「ワン〜(ワーッ)ツ〜(ワーッ)スリィ〜ィ〜(ワー)カンカンカンカンカン!」 と大音声でなりひびき、試合を待つファンの声援は「いーのーき、いーのーき」と ロッカールームにまでおしよせる。
 当時ここまで劇的にじゃべったゲームをほかにしらない。キング&バルーンやクレージークレイマーだってとおくおよばない。
 とくにすぐれるのはゴングだ。
 ジャーマンを決めてうちならされるゴング。
 コブラツイストを極めて連打されるゴング。
 すばらしき快感、無上の報酬である。
 タイガージェットシンの乱入やカットプレイなどの演出もあるが、このゲームをプロレスモノとしてささえているのは、やはり合成音声だろう。なにかを題材にしてゲームをつくる時はこうやるんだというお手本だ。

 堀牛乳店にまず入荷。その後ゲームセンター並木で再会をはたし以後並木の常連となる。僕と並木のはしわたし役だった。(10.10.31)

 何年か前にこの基板を秋葉原のある店で購入した。動作確認をした店員は組もうとしないでやみくもにボタンをたたききつづけ、その内に怒ったカネックもどきにやられ、あげく「はい、大丈夫です」と言って僕にわたした。
 そのやりかたではボタンがきくかどうかのテストになりえない。ふるいゲームだから仕方がないが商品のあつかいかたはまなんでおくべきだろう。
 その時一緒にストリートファイターUXも買いましたが、その店員、昇龍拳は僕よりずっと上手でした。

 さきごろ新声社の「ザ・ベストゲーム2」を読んでいたらこのゲームの項に「実名に近いレスラーが登場」とあったのですが、SUNNYとTERRYから想起される黒髪のレスラーってだれでしょう。いい加減な事をかいてはじをかいている。上の店員とおなじだ。
 なお敵レスラーですが、インストラクションカードをみるかぎりアンドレとデストロイヤーがモデルのようです。(11.9.15)

 SUNNY・TERRYは海外版かもしれない。(17.8.21)

空手道 いっ、ぽん、ワーオーワーオーワーオー
 晴美商店とゲームボーイに入荷。晴美に入ったのはごくごく小さなメダルゲーム並みの筐体で、それでも統一価格の晴美は1プレイ五十円。しばらくすると左側のレバーがこわれ、一度左をむいてしまうと二度とふりかえれなくなり、DOAの綾音のようにうしろむきでたたかうことを余儀なくされた。
 地元の人間は僕もふくめてほぼ十割、八段でおわってしまうので、まぐれでもこれをたおすと空手道の達人と称されもてはやされた。

 デモ画面の曲がとても好きだったので、テーブル筐体だったゲームボーイではよく2P側の席にすわりスピーカーに耳をあてて聞いていた。ある日うずくまるような姿勢でいた僕にゲームボーイの店主が声をかけてきて、いわく「悪い事をしていると思った」

 だれもがやりたがったデモ時の演武について。ベーマガの投稿欄に「十段をたおすと名人戦に入り、それをもたおすと演武ができる」という内容の読者レポートが掲載され、それを得意になっていかにも見たように言いふらしたのだが、その後ガセとわかり大恥をかかされた僕はベーマガに深いうらみをいだいたのであった。(11.9.15)

 その後、田中屋というしょぼい駄菓子屋で、システムをつめこんだ直方体の「はこ」に穴をあけてレバーをはやした夏休みの工作みたいな筐体に入っていたのを見かけた時はわびしかった。

 この田中屋というのはまれに見るセコい駄菓子屋で、子供用のカップラーメンでお湯をそそぐのに5円徴収する強欲っぷりだった。だからここのババアとは目を合わせるのもいやだったのだが、ある日かわやで倒れて死んだ。その後を追うようにジイサンもくたばり、転んでもただでは起きぬ精神は敵ながら見事と言うほかない。
 一体どれくらいつづいた店だったかは知らないが、昔のおもちゃの売れ残りが結構あったようで、昭和五十九〜六十年頃に友達がガッチャマンの戦闘機を買ってよろこんでいた。


出世大相撲 つよぉいでゴオンスゥ
 柏屋文房具に入荷。二十円。毎度の事ながら音声合成とグラフィックにひかれた。随分おおきなキャラクターだなというのが初見の印象だった。

 めづらしい相撲のゲームという事で割と人気が出て、そのためかすぐに「いなし」による永久パターンがみつかってしまった。「いなし」で気合がたまるとはインストラクションカードに書いてなかったので、はじめ聞いた時は耳をうたがった。頭のかたいのは子供の頃からですね。

永久パターンはみつかったが選択肢の多さがゲームをすくった。今思えばテクノスのゲームは大概がそうだ。それが意図されたものかどうかはわからないが、ながつづきする上たのしめる、プレイヤーにとって実にありがたい仕様と言える。それは僕の知るかぎりレッスルフェストあたりまでつづいたテクノスの色である。

 そんな簡単なこのゲームにも、ひとりだけ強敵が存在した。
 小結のはたき川
 そのはやわざたるや実にあざやかなもので、運がわるければ立合直後に電光石火のはたきこみでなすすべもなく土俵にたたきつけられてしまう。一場所で二回土がつくとゲームオーバーなのでこいつの前で黒星がつくと死臭をかぎつけたハイエナたちが次々と十円硬貨を並べてプレッシャーをかけてくるのであった。
 はたき川との取組こそこのゲームの最大のやまばで、一度でおわらせては勿体ないと、わざと昇進をおくらせて二度対戦できるよう八百長をしくんだりもした。ゲームはてごわい方がおもしろい。金をはらった以上こうしてわざわざむづかしい局面を作る工夫も攻略と同じくらい重要だった。

 横綱在位は何場所いったかなあ。一回のプレイ時間が長くなるためババアにグチグチ言われたり、日が暮れて豆腐屋のラッパを聞き、あわてて共稼ぎの友人に半値で売りわたしたりするゲームであった。

 音楽がとても好きったので、よくAボールのテーブル筐体の2P側に座り、スピーカーに耳をあてて聞いていた。ある日老年の店番が声をかけてきて、いわく「腹がいたいのかと思った」。

 音楽と言えばこのゲームもよくしゃべる。しゃべるのだが、なんといっているのか聞きとれない。特に難解なのが敵が怒ったときの声。友人と話しあった結果、どうやら「つよいでゴンス」か「いたいでゴンス」らしいという意見で一致し、そのわけのわからなさに笑いころげていた。今でも時々、口をついて出てしまう。
 ところが新声社のベストゲーム2に「いってえ、怒ったぞ」とあるのを読んで、あまりの平凡さにがっかりしてしまった。そういうわけで、いま基板を買うかどうか迷っている。たのしい記憶はそのままとっておきたいもんね。
 たしかにあのころ、このゲームは「つよいでゴンス」と言っていたのだ。(10.10.31)

 秋葉原のトライタワーに入荷したと聞き行ってみた。上記の理由ですこし不安だったのだけれど、音がちいさくてとても聞こえやしなかった。 残念でもありほっとした気分でもあり…。
 しかしその直後にX68版をやる機会がおとづれた。スピーカーは目と鼻の先。こんなに間近にあってはもはや逃れようもない。覚悟をきめて張り手をくらわすと聞こえてきた声は…当時のままの「つよいでゴンス」ではないか!なんだ適当なこと言いやがって。
 杞憂とわかり、その日は思う存分はたき川との対戦をたのしんだのでした。(10.11.15)

 このX68版ではじめてプレイした友人が、あっさりはたき川攻略法を見つけてしまった。今までの興奮はなんだったのやら。やはり知らぬ方がよかったという事はあります。(11.3.25)

エキサイティングアワー NARI
 昭和六十年を代表するゲームはなにか。こう聞かれたら僕はアルバのリアル麻雀とこのエキサイティングアワーをまづあげる。
 当時ある程度の規模を持ち、この二台をおいていないなかった店はないだろう。それほどこのゲームはいたる所で見かけた。すこし前のスト2みたいなものだ。あの時のゲームセンターでドアを開けるときまって聞こえてくるのは、やたらヴォリュームのおおきい魔界村のスタート音、リアル麻雀の「ごめんね」、そしてエキサイテキングアワーの小気味いいBGMだった。

 僕とこのゲームの出会いは例のレフェリーの音声である。いつものようにゲームセンターに入ると「ワン〜ツウ〜」と奥からあの声が聞こえてきた。なぜ今更「あの」ゲームが再入荷したのだといぶかりつつ店の中を進むと声の源はまったく見知らぬゲームで、頭がこんがらがったのをよくおぼえている。これは非常に違和感のあるできごとだった。今ではなんでもかんでも続編続編で曲もグラフィックもつかいまわしなんか日常茶飯事だろうが、当時としては異例中の異例。スペシャルフラッグのような定番モノはあったが前作ビッグプロレスリングとは二年のへだたりがある。小学生にとって二年前と言ったら大昔だ。現物を目のあたりにしてもしばらくはなお我が目を信じられずにいた。

 エキサイティングアワーの第一印象はなんと言ってもその迫力。あれだけのおおきなキャラがスピーディにかけまわりとびまわる光景はそれまで見た事のない衝撃的な物だった。画面に入りきらないほどの巨大リングが左右に目まぐるしくスクロールして、その動きについていくだけでも必死。インストには空手道ほどではないにしろ多彩な技が記載されていて、それをこのスピードの中、瞬時に情況を判断して繰り出せと言う。こんな複雑で高度な操作をこなせるのかと圧倒される一方、ゲームもついにここまで来たかという興奮をおぼえた。大袈裟ではなく新時代の到来と言うか、あきらかに今までとはちがう革新的な発明、そんな期待にふるえる思いだった。とにかくずっと見ていたい、そんな刺激がこのゲームにはあった。
 奥行を持たせた立体的な足場も画期的だ。ティップタップやドルアーガもそうだったけれど、なにしろこっちはキャラが五頭身ほどもある。Y軸をずらせばキックが通りぬけるというのは斬新だが実に自然なながめだった。
 操作上の不安に加えて料金も50円、その上人気がすごくて台に坐る機会がまわってこなかったので、しばらくはギャラリーに徹していた。いよいよ初プレイという時、おそるおそるコインを入れてのぞむと、隔絶した操作性は緊張をとかすようにほぐしていってくれた。

 すんなり順応できた理由には抜群の操作性ともうひとつ、このゲームがプロレスを体現していたという点がある。テレビ観戦でおぼえたレスラー達の動きや試合の運びかたをそのままゲームにもちこむ事ができた。ビッグプロレスリングはリングサイドでの高揚感、エキサイティングアワーはリング上の臨場感をもたらしたと思う。
 さらに僕をひきこんだのは敵レスラーのキャラクターと丁寧な動きだった。カラテファイターの跳蹴りの威力に声を上げ、ピラニアのするどいエルボードロップにうなり、ブロディにドロップキックやギロチンドロップを食らいながら、その勇姿にあこがれや期待のまざなしをむけていた。対戦する以上相手にももっと強くあってほしい恰好よくあってほしい。敵レスラーの五人はどれもその願いに十分こたえてくれる資質をそなえていた。

 これだけ魅力のあるゲームだ。当然やりこむようになる。おもに並木でプレイしていたがやがて晴海商店に入荷され、そこで百七面まで到達したのがピーク。しかしその後もテクノスらしい自由度の高さにひかれ続けてほうぼうでプレイしていた。中でもAボールで今じゃ見かけないような豪華な筐体に入っていたのを見て、なけなしの100円(!)を投入したのは我ながら蛮勇と言える。

 進学した中学のそばの駄菓子屋に1プレイ20円で置いてあり、そこで上級生が、ダウンしている敵にではなくロープから返ってきた所にむかってサンセットフリップをくらわしているのを目にする。いわゆるウルトラタイガードロップ。いい加減やりつくした感はあったが、なるほどまだこんな遊び方があったのかと底知れぬ奥深さを知った。

 僕はこのゲームを非常に好いている。今でもどこかのゲームセンターで見かければとりあえず金を入れるだろう。上述したようなプレイの楽しさはもとより、名物アナやスタッフ紹介などの演出もいい。スタート時とゲームオーバー時にブラウン管のスイッチが入ったり切れたりするシーンを差し込んだりして芸がこまかく、「プロレス中継」の設定が全体にいきわたっていて隙がない。こういうつくりのいいゲームには金を払いたくなるし、後でふりかえってこちらも恥じる所がない。いいゲームを好きになったと思う。はじめて買った基板がこのエキサイティングアワーだった。

 ところで場外でのパイルドライバーに成功したかたはいますか?。もしやり方があるなら是非おしえてください。(14.5.19)

 音楽がこれまた好きで、浪人時代に予備校もやすんで横浜の松坂屋まで録音しに行った。平日昼間のデパート屋上はほとんど無人で生録には絶好のロケなのだが、ブルース・ブロディの紹介曲は自分が王者になった六面以降にしか聞けないので、ランダムで現れるのを待つ間うるさいガキが来やしないかハラハラしながら速攻で試合を決めていった。その甲斐あってほとんど雑音なしの良い状態で収録する事ができ、うれしさのあまりMUAPというPC98用の演奏ソフトで打ちこんだりもした。
 ブロディと言えばあのタイトル戦用のBGM、プロ野球ニュースなどでよく耳にした曲だったのでずっとオリジナルの曲名を知りたかったのだけれど、先頃ようやくジェームス・ラスト・バンド「ヴァイブレイションズ」という事がわかった。インターネットさまさまです。(18.03.17)
 下のダブルドラゴンでヒジ鉄の事を書いていて思い出したがこちらもショルダータックルをおみまいしていればいつまでも続けられるゲームだった。やりはじめたのはちょっとおくれてからだが、その時はもうタックルの連発からコーナートップからの三連発というお決りのパターンが確立していた。僕はパンチキックと場外乱闘を主体にしていたからすっかりわすれていた。普通にあそんでいる人の感覚としたら、「ダブルドラゴン」イコール「ヒジ鉄」と同様に「エキサイティング〜」イコール「ショルダータックル」ではないかと思う(18.04.03)


熱血硬派くにお君 なめなめなめなめ…


熱血高校ドッジボール部 へいー


ダブルドラゴン う、うぅ〜〜…
 中学何年生かの夏のころだったと思う。Yシャツのすそを出しサンダルをひきずって、チンピラみたいな恰好で連日「並木」にかよっていた。店内は寒いくらいにクーラーの風がうずまき、その冷気にたえながらひたすらにヒジ鉄をあてていく、そんなゲームがダブルドラゴンだった。
 エキサイティングアワー・熱血硬派くにお君につづいてこのゲームも大人気だった。この間のゲームセンターはテクノスの天下と言って良い。等身のある人間キャラクターをあやつり徹底的に相手をうちのめすという共通の内容、のちのストリートファイター2ブームを見るまでもなくこうした乱暴で得られる爽快感というのはオスの本能が持つ根源的な欲望なのだろう。

 ダブルドラゴンと言えばヒジ鉄。入荷間もなくだれもがこの技の繰返し作業によって最後まですすめるという情況におちいった。くにお君にアクションをふやして複雑にさせた上位機であったはずなのにあいかわらずのテクノスなのであった。というわけでまたしても自らハンディをせおってもりあげる工夫が必要となった。

 最初は僕も人のまねをしてヒジ鉄一徹だったが、その内なれてくるとアッパーや回しげり・ソバットを中心にすえて、なるべくヒジ鉄はつかわぬプレイを目指すようになっていった。特にアッパーと回しげりは威力もあって点数も高く、派手なアクションで敵をぶっとばすと大変スカッとするのでトドメにはかならずねらった。点数は台によって異なったのは設定だろうか。
 ザコは突然のとびげりを警戒していれば問題なくアッパーのえじきにできるが、大男は間合いがシビアでそれだけにドカドカドカッと三発入れてぶっとばす爽快感はたまらない。ムカつくサド女はチョーパンでいびりたおすのがおきまりになった。ただでさえケバい女はきらいなのに、最悪二振りで殺されるムチの理不尽な威力には今なお怒りを感じる。なぜこんなに強くしたのだろう?ひろってつかうとまるで役に立たないのに。
 岩やドラム缶といったアクセサリも積極的に使った。ただ敵にぶちあてるだけでなく蹴転がして次の面まで運んだり上の段差に放り投げて輸送したり…こうした地味でリアルな工夫をゲーム上で行うのはとても楽しい。ダンボールは蹴るといかにも重たそうにズズズ…っとすべっていくが、あれを見るといつも足首が捻挫しそうでくるぶしのあたりがうづく。四面の最後で台場の上に岩石を持ちこみ、高見からボスの緑アボボに投げつける行為はたまらなく愉快だ。このアボボは間近で岩石を当てたりアッパーでぶっとばして高台に乗せる事ができるが、それをまた下からバキバキと一方的に制裁をくわえるのはこれまた痛快である。

 ただし同じアクセサリでもバットやムチはひろわない。大振りで命中させる事がむづかしいし、前述のとおり威力も期待ほどではない。丁寧に当てていったら時間切れになるだろう。一度手にしたら殴られたり落っこちたりしなければ離れないのも厄介だ。

 投げつけられたナイフを蹴ってガチーンと受け流すのも恰好よかった。テクノスはこういう所、本当に芸がこまかい。このゲームのどこが好きかと言うとやはり自由度の高さで、特に僕はクレージーコングのスタート左横のドラム缶に乗って以来、物の上にジャンプをして乗る行為がやみつきになっているので、箱・きりかぶ・岩場…そこに段差がある以上あるあらゆる場所にのぼりまくった。山男の心境だ。二面最後の倉庫前は地上の楽園とも言うべき物で、つみかさねられた段ボールの山から跳びげりを放ち、はしごをのぼって追ってきたボスを待ちぶせして殴り、ベルトコンベアに乗せた敵を誘導して追い落とし…ここだけでも満腹になってしまいそうな充実ぶりだ。これら実用性のほとんどないハシゴや金網はなんのゆえあって設置されているのだろう。こんな無意味な所に手をいれたがるのがやはりテクノスなんでしょうな。

 誰もが歯がゆい思いさせられた最終面のからくりは散財の甲斐あってよほどヘマをしない限りぬけられるようになった。時々画面端にマヌケな敵がはさまってスクロールを止められ、ヤリでブスブス刺されて死ぬ事もあるけれど。二人用でノロマな相棒だとやはりブスブスとやられ相当腹が立った物だ。一番のクライマックスはバルコニーから颯爽と跳びおりてくる親衛隊を跳蹴りで迎撃する瞬間。長い戦いをへた上、チャンスは二度しかないから緊張感は随一。別に成功したからと言って何があるわけでもないが新田君の隼ボレーシュートなみの感動がある。あとは一人もにがさぬよう、ボス以下全員たおせれば百点満点と言ったところかな。ボスはウイリーとか言っただろうか。もちろんヒジ鉄は極力つかわない。マシンガンの威力にハラハラしながら蹴りやパンチを当ていく。あのずんぐりした体をぶっとばすのもたまらない快感だ。ヒジ鉄を使うのは最後の一機になってからだね。二人用でクリアした時の決闘、あれは負けなしだったなあ。

 めちゃくちゃに殴りたおす爽快感と遊びこころをくすぐる多彩(無意味?)なアクション、テクノスお家芸のつまったこのゲームはまたもヒットとなり長い間プレイヤーの寵愛を受ける事となった。

 「並木」の後は晴海商店で50円、柏倉文房具に20円で入荷。ながつづきするし楽しいから50円でも結構やった。(16.06.04)

 二面の鉄骨シーンで永久パターンができるけれど、柏倉のバアサンはなぜかそれに気づいて目を光らせていた。文房具のババアふぜいに永久パターンなんてわかるわけがないと思うのだが…。このバアサンは「影の伝説」の永久パターンの見ぬいたおそるべき商魂の持主だ。(17.08.21)(18.03.19改訂)


WWFスーパースター No one can beat "MEGA BAGS"!
 プロレスゲームは面白いゲームが多い。ビッグプロレスリング・エキサイティングアワー・ロボレス・リングの王者…。どれも金をつぎこむだけの魅力があった。共通する特徴はキャラの個性がきわだつ所だろうか。

 このゲームを横須賀「ラスベガス」のすみっこではじめて見た時は、はづかしながらホーガンとアンドレしか知らず、テッド・デビアスもヒロ斉藤だと思っていたくらいのアメリカンプロレス音痴だった。外人レスラーというのはどこかから来て去っていく渡り鳥みたいな物だと思っていたからこのゲームを見るまでは向こうの団体なんてほとんど意識した事もなかった。

 原作を知らないキャラクターゲームほどつまらなく見える物はない。その世界のルールがわからないし未知の物は奇異にうつる。当時のWWFのキャラクター路線はまさに異世界で、黒パンツ一丁を見なれてきた僕にはイロモノにしかうつらなかった。実際イロモノと呼んでさしつかえないのかも知れないが。しかしその頃丁度、日米プロレスサミットという大きなもよおしが東京ドームで行われ、さいわいテレビ放映を見る事ができた。このイヴェントに合わせて作られた訳ではないと思うがすごいタイミングだ。後にも先にもこんな共同大会はないのだし。とにかくその中でランディ・サベージら実物を目にし、おかげで「あ、コイツはあのゲームに出ていた…」と、興味をもてるようになった。

 基本的な操作はエキサイティングアワーを踏襲していたからすんなりとなじむ事ができた。問題は見知らぬレスラーとの距離だったが、キャラ固有の持技をおぼえていく内に愛着がめばえ溝は次第にうまっていった。

 特にお気に入りになったのはアルティメット・ウォーリア。インストの写真が実に見事な筋肉美で、インターバル中にもホレボレとながめていた。レスリングサミットを見てからは「ディンゴボンバー!」と声を上げながら何度もラリアットをたたきこんではしゃぎ、すっかりファンになっていた。そのパートナーはいつもボスマン。コイツは二つの隠し技の破壊感がたまらない。たまたまコンピュータのボスマンがサイドスラムをやっているのを目撃し、見よう見まねで試してみたらできたのでそれ以来レギュラーとなった。ボディプレスについても同じ。「サイドスラム→ボディプレス→カットに走ってくる敵パートナーをウォーリアーがショルダースルーで場外→プランチャー・同時にカウント3」というフィニッシュが得意のパターンだが、このような連携はタッグマッチならではの醍醐味だ。ただのエキサイティングアワーの続編ではない。
 ホーガンは元々キライだったから自分で使う機会は少なかった。そのため敵として顔を合わすのがほとんどなのだが、あのイヤミったらしい顔とパフォーマンスを見てますますキライになった。ホンキートンクマンというどうしようもないレスラーは自分で使うと弱っちくてやってられないのだが、敵に回すとスキップしてのキックの射程が長い上、ネックブリーカードロップ後のたたみかけは防ぎようがないのでやたらと強い。他のキャラは差などほとんどないので、ボスをのぞけばコイツが一番の強敵だろう。控えでいてもこっちのカットをスキップキックで迎撃してくるので始末におえない。なんでこんなヤツに!と煮えくりかえる思いだ。

 どうしても特筆したいのはチャンピオンチームのメガバッグス。デビアスはテクニシャンらしく大技小技を使いこなし、アンドレはチョップ一発で相手をふっとばす大巨人ならではのパワーの持主。タイプは異なれどお互いの特質をいかんなく発揮して挑戦者の前にたちはだかる。両人とも実物の雰囲気が実によく出ていて、デビアスなんかはアメリカンプロレスのヒールらしく「ノー!ノー!」と両手を振りながら後ずさりするパフォーマンスまで披露してくれる。勿論そこに突っ込んでいけばパワースラムで返り討ち!実際の試合ではよくお目にかかる光景だが、ゲーム上で実現させたのはこのスーパースター以外にない。これを企画した人間の着眼のすばらしさにはただ敬服する他ない。何度くらっても唖然とするのは出世大相撲・はたき川のはたきこみに似ている。アンドレの迫力も相当な物だ。何しろパンチキックではたおれず組技もボディスラムとボスマンのヘッドバッド以外は受けつけない。必殺技のヒップドロップはなかなか見せてくれないので、やられる側でありながらワクワクする。この二人と場外乱闘になった時、スクロールアウトしている画面外でドカッバキッとものすごい音が聞こえてくるとパートナーの体力の異様な減り方に恐怖した物だ。

 だいぶつぎこんだおかげでどちらからもフォールをとれるようになったが、他に入荷先がなかったので店から消えるとすっかりたおし方を忘れてしまった。しばらくしてから近所の駄菓子屋に入り、子供だらけのギャラリーの中、場外乱闘でごまかしながら悪戦苦闘をしていた。それでもなんとかリングアウト勝ちをおさめ「すげえ、この人勝ったぞ」とさわがれたのには赤面した。本来ならもっと驚かせてやれるのに!とはがゆかった。年齢差を感じて駄菓子屋に入りづらくなったのはこの時くらいからだ。その後メッセサンオーで基板も買うのだが棚に並んでいたのを見つけた時はうれしかったなあ。めづらしい基板ではないんだけれどね。

 最後に。コンピュータは大技をきめた後に時々パフォーマンスをやるが、サベージだけはやらない。いつやるのかと言うとダイビングエルボードロップの直前、コーナートップの上で人差し指をまっすぐにのばしてアピールをする。ダイビングエルボーはサベージの実際のフィニッシュブロー。そのためテクノスはトップ上でのアピールをサベージだけに許した。このゲームは何も言う事がない。これまで僕がやったプロレスゲームで最高峰だと思っている。(16.05.19)(18.04.03改訂)

WWFレッスルフェスト
 ストリートファイターUが登場し日本中を席巻。SNKがわりこんで来るまで他のメーカーが何を作っても見向きもされなかった時期。書店でゲーメストを立読していたら終りの方のページのかたすみに、スーパースターズの続編が近日登場との記事が掲載されていた。その頃はすっかりアメプロにも精通していたので、登場するレスラーは全て知っていた。おかげでその記事を読んでからというもの、プレイするのが待ちどおしくて仕方がなかった。ほどなく横須賀の「グリーンヒル」に入荷したのでストリートファイターと交互にやっていた。キャラクターがバカでかくなった分ゆったりとした速度になり、タイミングも一からつかみなおしになったが、そこはテクノス、いくらもしない内にあっさりとなじむ事ができた。

 このたびもお気に入りはアルテッィメットウォーリアで、フライングするようになった「正式な」ディンゴボンバーは、ロイヤルランブルでうろうろしている敵にふいにぶちこむのが特にきもちいい。ボスマンは隠し技がノーマルになり、破壊音がくぐもって技の爽快感が半減したためパートナーはとっかえひっかええらぶ事にした。あれだけ操作したいと熱望していたテッド・デビアスだったが、いざ使えるようになると並のレスラーになってしまったのは残念。でもあのフィストドロップは恰好いい。新キャラではアースクウェイクが気に入って結局コイツが相棒の筆頭だった。ひとえにアースクウェイクドロップのために!。ここでのパフォーマンスにもテクノスはやはり仕事をしてくれていた。本当いいメーカーだったなあ。他はジェイク・ロバーツのDDTとカート・ヘニングのフィッシャーマンも捨てがたく、よく浮気をして遊んでいた。横須賀という土地柄、海兵の子供もゲームセンターの客に多い。ある時ロバーツで遊んでいたらそばで見ていた黒人のチビが「オーDDT!」などともらしていた。

 本作のチャンピオンはリージョンオブドゥーム、つまりロードウォーリアーズ。前々作エキサイティングアワーでは一面の相手だったINSANE WORRIORの出世した姿だ。フィニッシュのクロッセズライン・オフ・ザ・ロープターンバックルは食らうとほぼ負けるけれど、テクノスのこれまでのプロレスゲーム同様この技も見るのが楽しみだった。自分のキャラが肩車にかつぎあげられコーナーまで運ばれていく後ろ姿を見ては思わずおおっと感嘆の声をあげていた。バトルロイヤルもごちゃごちゃとした感じが実際の試合っぽくておもしろかった。まともにやるとむつかしいが組技にボディスラムを持つ選手ならばポイポイとリング外に投げ下ろせて爽快爽快。ただし駆け込んで行った所をショルダースルーで跳ねとばされ、開始後数秒でゲームオーバーなんて事もあったりする。この頃WWFでは湾岸戦争のパロディ試合をやっていて、本作でも登場するサージェント・スローターなんかが王者についたりしたのでアホらしくなって熱もさめていたのだが、それでもゲームは十分たのしめた。

 その後近所の三雄堂という書店に入荷したので、やはり子供にまじってよくやりに行っていた。

 大味なところが外人に人気があったのか、数年前、外国のサイトでこのゲームを現代版に改造しようという計画を見たのだけれどどうなったのだろう。ロックのピープルズエルボーなんてアースクウエィクの地震パフォーマンスのようにやればたのしいと思う。御存知のかたいらっしゃいましたらどうかご一報ください。(16.05.23)

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