ドラゴンクエストVそして伝説へ… |
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■アカイライ D&Dに登場する四ツ足の鳥形モンスター「アケイライ」(achaierai)が出典だろう。 左のページを見ると相当残虐非道な魔物のようだ → ダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版公式ホームページ ザナドゥにも登場していてこちらではアチャイライと言うらしい。 これは当時('85)、まだD&Dの邦訳版が出ていなかったか出たばっかりで、 スペルから発音を判断するしかなかったためにこうなったのだろう。 もっともドラクエのほうもア「カ」イライとなまっているけれど 出自・伝説などは一切不明。TSRが創造したモンスターだろうか ■アルミラージ 検索するとモハメッドの昇天祭(Al-Mi'raj)につきあたる。 この儀式に由来がありそうだがAlは定冠詞でMi'rajはハシゴだそうだから 単にハシゴから派生した呼び名なのかもしれない。どちらにせよ関係はわからない D&Dにも登場するモンスターでウサギの姿の一角獣とのよし 海外Wikiに項目があって、 なんとドラクエのアルミラージについてふれられている ■カンダタ まず浮かぶのは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」。 そちらのカンダタ([牛鍵]陀多)は放火殺人もいとわぬ非道な大泥棒。 この主人公の名を拝借したのだろう ■ガルーダ ■ギズモ(ヒート─・フロスト─) 未詳。映画「グレムリン」('84)の怪物と同名のため、 そこからではないかとの声もあるが容姿や特徴に関連性が見られずただの偶然だと思う。 別の何か、ガスや風などの気体や現象にかかわる単語があるのだろう アメリカのSF作家マレー・ラインスター(Murray Leinster)の小説「ガス状生物ギズモ」('69)からと判明。 やっぱりガス状だった →復刊ドットコム ■ごくらくちょう と呼ばれる鳥が実際いる ■さそりばち 塵袋第十「[酉占]」の項に「サソリトハサゝリ蜂ト云フモノナリ。(略)サゝリハアヤマリナリ。 大体ハサソリト云フベキ也」(東洋文庫725)とある。 サソリ・ササリ蜂とはジガバチの事。別に関係ないが似た名前をたまたま見つけたのがうれしかったので…。 ドラクエでは単にサソリのような巨大な尾をもったハチという事であろう。 ■サタンパピー サタンのパピー(puppy=子犬)という事であろうか。その割にはかなりの強敵だが…。 魔界村で言ったらレッドアリーマー的な位置か(プチデビルがベビーサタンで)。 ■サラマンダー 「サラマンドーラ サラマンドーラ 火の中の龍」のサラマンダー(Salamander)。 火の精とも炎を自在にあやつるモンスターだとも。 容姿についてRPG幻想事典では 「龍の姿をしているといわれているが、実際には、頭、手、足が竜、体はヘビ」 「翼はない」としている。 ドラクエはこの姿に忠実といえる ■ソードイド swordの語尾を変形させてゴロを良くしただけで特別な意味はないと思う。 「sword」の後を接尾辞「oid」とかんがえれば「剣人」とでもなるだろうか。 ネイティヴがどんなイメイジを持つものか聞いてみたい。 ■ダースリカント ダース+リカントだが、ダースは初代ドラクエからの謎の形容詞。 リカントはリカントロープ(lycanthropie=半獣人)をちぢめたもの。 すると半熊人? ■デッドペッカー ウッドペッカー(woodpecker)をおそろしげにもじったシャレだろう。 ウッドペッカーがきつつきならデッドペッカーは屍つつき? 鳥葬にはもってこいだ ■どくどくゾンビ ホラー映画「悪魔の毒々モンスター」('84年初作品)のパロディだろう。 ドラクエ3が出た'88年前後はホラーやスプラッター全盛期で、 当時はどこのレンタルビデオ屋にも割と目立つ場所にコーナーがもうけられていた。 毒々モンスターはC級映画にありがちな、そのあんまりな邦題ゆえに、 わすれられないインパクトがあった。 その頃ビデオ屋に通っていた人の中には思いあたるかたも多いだろう。 ちなみにホラー&スプラッター映画は、 '89年の宮崎勤事件とからめて報道されたためにいわれなき批難を浴び、 以後まったく影をひそめる事になってしまった ■ドルイド・きめんどうし かつて存在したケルト系民族の司祭(Druid)。 単なる宗教者にとどまらず、預言と知識によって人々をみちびいた指導者的存在。 ゲームでは僧侶としてあつかわれる場合が多いそうで、 バギをとなえるのもうなづける。 ドルアーガの塔で壁をこわしてくれるのは すすむべき道の啓示なのか!? きめんどうしは漢字でかくと「鬼面道士」のようだ。 奇面なのか導師なのか童子なのかひらがなだとわからない。 ■バーナバス アメリカで放映されていた長寿ホラー番組「DarkShadows」('66-'71)で人気を博した 吸血鬼のバーナバス・コリンズ(Barnabus Collins)から採用したと見ていいと思う。 辞書にものっている一般的な男の名 このたび(2012)めでたくリメイク映画がつくられた ■ヒドラ(キング―) ヘラクレスが十二の功業の中で対決した魔物(Hydra)。九つの首を持つ。 キングヒドラは見た目からしてキングギドラにひっかけているのだろう。 ドラクエ屈指の迫力あるグラフィックなのに一度きりではあまりに惜しい。 是非再出演をはたしてほしいモンスターの筆頭。 ■ホロゴースト ホロ(hologram)のようにぼんやりと宙に浮かぶゴーストという事であろう ■マーマンダイン マーマン(merman=人魚のオス)+ダインだがダインが何の事だかわからない。 ひょっとしたら本当はヒャドではなくヒャダインを使わせる予定でその名残かもしれない。 というのもマーマンダインが登場する段階で攻撃魔法がヒャドでは不自然なほど貧弱だからだ。 メールで、ダインはウンディーネの英語読み、アンダインのダインではとのご意見をいただいた。 ウンディーネは言うまでもなく水の精霊でその点共通するものはあるが、 男の人魚であるマーマンにウンディーネがくっつくのは違和感をおぼえる。 wikipediaを見てみたら「性別はない」そうなのだが、辞書にも「水の精《女》」とあったので、 一般的には、すくなくとも外見は女の精だろう。 字数制限の七文字中、残りの三文字に挿入するには一般的なウンディーネでないアンダインの、 下半分をちょんぎった「ダイン」でなければならないが、 まったく意味の通じない形に変化させてまで必要な要素だとはどうも思えない ■マクロベータ 不明。 ブラジルにおける神おろしの儀式をマクンバ(Macumba)、 その実践者をマクンベーロ(Macumbero)と言い、 そのもじりではないかというのは傾聴に値する説だ。 なお、檀原照和「ヴードゥー大全 アフロ民族の世界」によれば、 マクンバを黒人の妖しげな呪術ととらえるのは偏見であるとの事 ■マタンゴ 「マタンゴ」('63)という特撮映画がある。 食うとキノコ人間になってしまうというおそろしいキノコ ■ラゴンヌ 未詳。まったくわからない。 どこかで聞いたような単語なのだが…お菓子の名前だろうか と思ったらこれもアカイライとおなじくD&Dのモンスターからだった → ダンジョンズ&ドラゴンズ日本語版公式ホームページ 外見もそのままだしまちがいないだろう。 アカイライ同様、元の名前をちょっとかえてあるのは、 さすがにそのまま使うのをためらったためか ■わらいぶくろ 最近見ないので知らない人もいると思い立項。 巾着状のオモチャで、指でつつくとけたたましい声で笑い出すというもの。 オモチャ屋の目立つ場所にぶらさげてあると、 こどもが次々に押してあそぶので一日中笑いっぱなしになって非常にやかましかった ■アークマージ・ドラゴンゾンビ・ガスドラゴン ウィザードリィ('81)に同名のモンスターがある。アークマージはARCH MAGE。 ■クラーゴン・マントゴーア それぞれクラーケン(kragacles)・マンティコア(manticore)のもじりだろう。 クラーケンはイカとかタコのおばけ。 最近もパイレーツオブカリビアンにも登場しているので誰もが知っているだろう。 マンティコアはライオンの体に人間の顔とサソリの尾、時としてコウモリの羽を持つとされる。 もしラゴンヌで述べたような理由で名前をアレンジしたのだとしたら、 伝承のモンスターとD&Dオリジナルのクリーチャーの区別がついていなかったのかもしれない。 ■ガニラス・ガメゴン(─ロード)・ゴートドン・フロッガー・スカルゴン カニ・カメ・ヤギ・カエル・骸骨(skull)の怪物をそれらしく呼んだ物で特別な意味はなさそうだ。 ゴートドンはゴート(goat)のドン(don=ボスの意)という事もかんがえられる。 スカルゴンはドラゴンゾンビと同グラフィックだからスカルドラゴンの略かもしれない。 |